アウディRS6/C5、グレードアップメンテナンス
お車はRS6/C5 です。
近年、ダウンサイジングがおこなわれる中、
C5のRS6は本当に貴重な存在です。
今回はそのC5/RS6の更なるパワーアップ、そしてそのパワーを
活かすべくグレードアップメンテのご依頼です。
まずはECUからです。
今回は D's Racing さんにご協力いただき
デジタルスピードのインストールをおこないました。
こちらはミッションマネージメントも含まれています。
トルコンAT車の大幅なパワーアップ、特にトルクのアップには欠かせませんね。
インストール後は、ノーマル450psから525psに
そしてトルクが560N.mから717N.mに大幅アップです。


さて、ここからはこのパワーを十分に発揮させるための
メンテナンスを始めます。
エアークリーナーは BMC純正交換タイプを使用します。
吸気効率の優れたエアクリです。

RS6の心臓部です。
クリーナーボックスのカバーはカーボン製です。

このカバーを開けて BMC と差し替えます。

イグニッションコイルはプラズマダイレクトを使用します。
V8なので8本必要です。
信頼と安心のダイレクトコイルですね。
始動性と高回転の伸びが変わりますね。

もちろんプラグは NGK を使用します。
こちらも安心と信頼のプラグです。
熱に強く耐久性に優れています。
まずは IRIWAY7 から始めます。


お次は、足まわりに取りかかります。
純正のDRCが経年劣化でオイル漏れをおこし
通常の機能を維持出来てません。
普通に走行するのもちょっと神経を使う状態です。

ということで こちらの KWバージョンⅢを使用いたします。

純正DRCのオイルラインをカットして
KW Ver3をインストールのため
こちらのメクラ蓋が必要となります。
もちろん KWのキット内容です。

このメクラ蓋を
DRCのオイルラインに実際に装着したところです。

準備は整いましたのでいよいよ KW Ver3を
組み込みます。
RS6用は前後共このように新しい減衰調整式に変わってます。
バンプ側(縮み側)はダイヤル式なのでかなり減衰調整が
しやすくなりましたね。


フロントに組み込んだところです。

こちらはリアです。
C5はコイルオーバーの車高調整式です。
別タンク仕様でオイル容量を増やしてます。

点検時にフロントのアッパーアームがヤレていたので、
左右合計4本をNEWアームに交換しました。

そしてブレーキのメンテです。
ブレーキローターとパッドを前後とも交換しました。
純正のNEWローターを使用です。

ブレーキパッドはCOTO製GNタイプを使用です。
純正パッドより制動性を高めつつ
低ダストかつ鳴き防止のためのパッドです。

フロントの交換をおこなったところです。
純正キャリパーはまだ使用可能です。
ブレンボ製の8POTでパッドは4枚仕様です。

こちらはリアの交換をおこなったところです。
リアローターもフロントと同様、
大口径ベンチタイプになっています。

こちらは通常メンテのATFの交換です。

使用ATFは LADO TAPIA です。
もちろんストレーナーとパッキンは
NEWパーツに交換しました。


最後のメンテナンスはアライメントの調整です。
今回はアッパーアームを交換しているというのも
あるのですが、経年劣化のDRCの影響も考慮し
ハンドルセンターの調整も含めてKWが馴染む前に
まずは一度調整をおこないます。


アライメント調整の担当はアライちゃんです。
ステアリング操作にしっとり感が出てきます。
タイヤがしっかりと接地して本来の性能を発揮させているのですね。

まずは車高を前後とも20㎜落としからスタートです。
KWの減衰も推奨値からスタートでOKのようです。
暫く走行して馴染んだ頃に再度車高の微調整そして
アライメントの調整をおこないます。


最終確認の試走やフォルトチェックを行い完了です。
これぞC5のRS6ですね。
アクセルを開けた瞬間、ブレーキを踏んだ瞬間、
そしてステアリングを切った瞬間、どれも安定していて
安心感があります。
もちろんこれだけのトルクがあるので重量級のRS6でも
街乗りはホントに楽々です。
ほとんどの割合で足廻りの改善が
一番大きな要因だったと思います。
C5はメカニカルな部分も多少残ってて
自分で操作するという本来の楽しい運転が出来るようになりました。
Tさん、ご依頼ありがとうございました。
暫く走行されましたらまたお越し下さいね。
更に乗り味よく素敵なRS6になりますよ。
そのうち<KW +>もご検討下さいね。
追記
C5のRS6は名車です。
ほとんどのお車が DRCの経年劣化が原因で本来の性能を発揮出来ずに
埋もれて行ってしまうような気がしています。
あまりにも優れた動力性能のため
何が良くて何が良くないのか掴みづらい、わかりにくい部分でも
あるかと思います。
ボディやシャーシ、そして安全性能はTOPクラスです。
足廻りを主としたちょっとのグレードアップメンテナンスで
C5のRS6は活き活きと走り出します。

僕にはとてもRS6のオーナーにはなる事は出来ませんが・・・
街や高速を走ってるC5のRS6を見かけると、うれしく感じると同時に
この車を世に送り出したAUDIってすごいなと思います。
そしてなによりもこの車と共に活きるオーナーさんの
"様" が素にすごいと思います。
by ishii_goblend | 2012-06-27 22:48 | RS6